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要注意:コロナで「はるか」の本数が減ってます
私が京都を出発し、関西空港からエミレーツ航空を利用してイギリスのマンチェスターに向かったのは、2020年9月10日のことです。
まず、コロナの影響で関西空港へ向かう特急「はるか」の本数が激減していました。
昼間の便は全てストップし、朝や夜間帯でも半分しか稼働していませんでした。
にもかかわらず、一般の時刻表のウェブサイトでは通常運行と表示されいることが多いようです。一時的な運行状況の変更なので、アップデートが追いついていないんでしょう。
私はサクッと調べただけだったので、この状況に全く気付きませんでした。
JR京都駅の電光掲示板を見て初めて、おかしいな、と思ったのです。
頼りにするべきJR公式ページは、トップ表示どころか検索サイトの9番目くらいにしか表示されないので、そこまで下位まで検索する人は少ないと思います。
これが大きな落とし穴になるので、皆さんも気を付けてくださいね。
フライト2時間前に空港に着きたかったけれど…
私は「国際便のチェックインなので、いつも通り2時間前にチェックインカウンターに着いたら大丈夫なはず」と思っていました。
しかし、乗る予定の電車がなかったため、関空に遅れて着くことになりました。
フライトにギリギリ間に合うかな、といった感じです。
ちなみに空港へはフライトの3時間前に着いておくのが理想ですが、2時間前くらいなら大丈夫と言われています
突然のお弁当タイム、最後の日本食でした
まあ、焦っても仕方ないので駅弁を買いました。
かまぼこ、炊き込みおこわ、牛薄切り肉の甘辛煮、いとこんにゃく、菜の花、ししとう、たこ、揚げきんちゃくの煮物、柴漬け、甘納豆、梅干し。
↑このあたりはイギリスではめったに食べられないので、しみじみ味わいました。
おいしかったです。
ようやく乗り込んだはるか最終便は、キティちゃんのラッピング車両でした。
予定通りの時刻に出発。
しかし、数駅進んだところで不穏な車内アナウンスが流れます。
「本日、通常みられない異音が発生したため、確認作業を行っております。前方の○○駅に停まっております列車が出発するまで、しばらくお待ちください」
10分、20分と停滞が続きました。停まったり、動いたりを繰り返しました。
私はそわそわしていましたが、
乗客のほとんどは通勤客で、半分眠っていました。
ゆっくり、ゆっくりとはるかは進み、関空に到着したのは予定の30分遅れでした。
それはつまり、フライト出発予定時刻の1時間15分前です。
さすがにまずい状況でした。
いつもなら空港で2時間あるところを、75分しかないわけですから。
関空の構造にひそむ落とし穴
フライト時間に間に合わせるためには、とにかく、走るしかありません。
必死で25キロのスーツケースを転がしながら改札を通り抜けようとすると、無情にもゲートが閉じました。
「枚数制限」エラー
チケット屋で切符を買うと、複数枚の乗車券を渡されることがありますよね。あれ、自動改札を通らなかったりするんです。
でも、事情を察した改札の係員のお兄さんが、すばやくチケットを受け取り、
「いいですから、行ってください!!!(早口)」
と通してくれました。
駅から、道路一本向こうに、空港のビルがあります。
関空を使ったことのある方ならご存知でしょうが、関空の建物は外部の出入り口から「国内線」「国際線」と分かれています。
実は、中ではまた一緒になるのですが、とりあえず別々の入り口になっています。
私は右側の、国際線用の歩道橋を使いました。
ゼーハー息をしながら走って、スーツケースをころがして空港の建物にたどり着いたところ、自動ドアが開かないのです。
4つあるすべての自動ドアが、開かないのです。
おそらく、国際線の乗客が少なすぎて、利用者の少ない入り口は閉鎖していたんでしょう。
ドアに小さく
「非常時は手で開けられます」
と書いてあったので、迷わず自動ドアを手動で開けて入りました。
個人的には非常時でしたし、戻る時間はありませんし。
そのあと国際線に乗るには、自動ドアの右手にある「エスカレーター」で4階のチェックインゲートに向かうように指示されていました。
しかし、エスカレーターは止まっていました。
自動ドアも閉めてるくらいですから、当然といえば当然です。
そしてエスカレーターが止まっていたらどうしたらいいのか、どこにも書いてありませんでした。
私は完全に行き詰まった状態になりました。
通常のルートは動いていません。しかし、どうにかして最短の時間でたどり着かなければ、飛行機に乗り遅れます。
幸い、4階に国際線のカウンターがあることは分かっていましたので、とにかく上に向かうことを考え、「国内線行き」のエスカレーターに乗りました。
上階に行けさえすれば、そのまま国際線向けのゲートにも行けたはず。
いちかばちか進みましたが、これが当たりでした!
国際線のフロアに出ました。
必死のパッチでようやくたどり着いたエミレーツのカウンターは薄暗く、5人ほどのスタッフがいて、お客さんはゼロでした。
セルフチェックインの機械には全部「終了しました」の張り紙がしてありました。
どうにもこうにも、「終わってる」という雰囲気なのです。
一縷の望みは、スタッフが、閉じていたゲートを開けて招き入れてくれたこと。
おそるおそる「まだ乗れますか」と聞いたところ、
「搭乗できるかわかりませんが、できるところまでやってみます」
と言われました。
超優秀な航空会社スタッフに助けられ
お客さんが他にいないこともあり、ここからはスタッフ総出で、私に付きっきりで対応してもらえました。
つまり5人がかりです。
チェックイン作業は、並行していくつも同時に行われました。
スーツケースと手荷物の重さを測る人、パソコンに入力する人、書類を確認する人。
しかしやっかいなことに、コロナの影響で、いつもは必要ない書類が3つ増えていました。
ドバイでトランジットするため、コロナのPCRの検査結果を、検査日を含めてチェックしなければいけませんでした。
イギリス入国の際に必要な書類もありました。
カウンターでコロナ対策のため記入しなければいけない書類もありました。
書類は、スタッフが真横について「それはYES、次はNOで」と、手取り足取り教えてもらって書き上げました。
ビザは去年と同じく、マンチェスター空港で発行してもらう予定でした。
実は前回(フィンエアー)は運が悪くて、チェックインカウンターでのビザ関連の確認だけで10分以上もかかりました。
6ヶ月未満の短期学生ビザ「Short-Term Study Visa」は、イギリス入国時に空港で発行可能な、安くて便利なビザです。
ただし日本人の利用者は少ないようで、空港の係員も知らないことがあります。その場合は上司に相談したり、マニュアルを読んだりして時間がかかるのです。
フィンエアーの係員は知らなかったようで、手続きに時間がかかって、後でそのことをめちゃめちゃ謝られた記憶があります。
運良く、今回はすんなり通過。
経験豊富なスタッフさんが揃っていて、ありがたかったです。
流れるように事務作業が進みました。
しかもそのあと、エミレーツ航空のスタッフさんに完璧なエスコートをされ、
最短ルートでセキュリティも通り、搭乗口まで案内してもらえました。
ちょっとしたVIP気分。
しかし、気がゆるむと、スーツケースを押して必死で走った後の腰が痛みました。
精一杯深いおじぎをして、スタッフさんにお礼を言って別れたのでした。
トランジットのドバイは意外と平穏
さて、航空会社の素晴らしい采配で、なんとかフライトに間に合うことができました。
エスコートしてもらっている間にスタッフさんに聞いたところ、搭乗便の乗客は45人のみとのこと。機体の大きさを考えると、10%以下の利用状況です。
案の定、座席はガラガラ。夜中には完全に横になって眠ることができました。
エミレーツのアテンダントは全員ビニールエプロンを着て、目のまわりには透明なバイザーをつけ、マスクに手袋をつけていました。
搭乗して最初に配られたのはアイマスクや靴下、歯ブラシなどの通常のアメニティ。
次に除菌用のキットが配られました。
ドバイでの入国カードも手渡されました。コロナの対策を考えられた内容になっていました。
除菌キットの中には、使い捨てマスク2枚、ハンドジェル3つ、使い捨てウェットタオル2枚、手袋MとLサイズ1枚ずつ。
コロナ対策で急遽作られたキットなんでしょうけれど、パッケージデザインもすっきりして分かりやすいものでした。
機内での食事などのサービスは、ほぼ通常通りでした。
乗客が少ないのですぐにサーブしてもらえることと、ジュースが紙コップでなく紙パックで提供されたことくらいしか、違いを感じませんでした。
ドバイに到着し、乗客が少ないのでスムーズに降りることができました。
ドバイのトランジットでは、乗客全員が手袋を着けるように指示されました。
機内で配られた青いビニール手袋をし、ゲートをくぐる必要がありました。このゲートは、おそらく体温チェックのためと思われます。
乗客の中には、トランジットで手袋が必要だと思わずに、キットを機内に置いてきてしまった人もいて、ちょっと揉めている様子もありました。
しかしその他は特に変わったこともなく。
セキュリティでも通常通りノートパソコンを取り出して見せて、金属探知機で体をチェックされたのみでした。
PCR検査の診断書を見せることもありませんでした。関空でチェックしていましたが、それだけで良かったようでした。
早朝のお祈りが放送で流れ、カーペット上でお祈りを捧げる人がいました。
椅子には間隔を置いて座るよう指示されていましたが、カーペットの上に寝そべる人たちに、ソーシャルディスタンスは取られていませんでした。
中にはマスクをしていない人もいました。
なにしろ、エミレーツ航空からのメールでは、
・関空出発の96時間前以内にPCR検査をして、陰性証明(英語の診断書)を取得すること
・有効な海外旅行保険への加入
・専用アプリの登録
などなど、ほぼ毎日のようにメッセージが来ていたのです。
飛行機のスケジュールも3回変更がありましたし、1日まるっと日程変更されたこともありました。
ドバイからイギリスのマンチェスターまでの飛行機は、驚いたことにほぼ満席でした。しかも、乗客はほぼイギリス人のようでした。
ドバイ含むアラブ首長国連邦は、イギリスでは、自宅隔離のリストに載っている国です。つまりドバイから帰宅後、2週間は外出できません。ですから、観光旅行などで訪れている人は少ないはずと踏んでいました。
行ってみなければ分からないものですね。
この機内も、もちろんソーシャルディスタンスなんて、何もなし。
紅茶やコーヒーはふつうに紙コップで渡されました。
イギリス到着後、空港の入国審査の行列では30分以上待たされました。
これはまあ、いつものことですが。
「列をもっと詰めて」といつも通りの指示があり、ここでもソーシャルディスタンス無視でした。
しかし、空港でチェックする項目は、コロナ禍で確実に増えています。
海外からの入国者の場合、イギリス入国の48時間前までにオンライン提出しなければいけない書類があり、しかもそれをプリントアウトして持参しなければなりません。
中には書類準備が完全ではない状態でも、どうしても帰国しなければいけない人もいるでしょう。出入国のルールも変更が多いので、現場も大変だと思います。
ヒヤヒヤしながら待ちましたが、幸い私は必要書類も揃っていたようで、スムーズにビザのスタンプをもらうことができました。
空港の出入り口では、いつも通りたくさんの人が出迎えに来ていました。
いつもと違っているのは、飛行機から降りた乗客がすぐに屋外へ出なければならず、出入り口にあるカフェも閉まっていたこと。
室内のベンチに座っていたアジア系の人は、警備員に移動させられていました。
やはり少し違う雰囲気です。
出迎えに来てくれたパートナーの顔を見つけて、本当にほっとしました。
※)コロナ禍で、関空で国際便を利用する際は
・はるかに乗るなら「JRの公式サイト」をチェック
・関空の国際便用の通路は閉まっている場合がある
・書類はきっちり揃える(そのために航空会社からのメール、イギリス大使館のサイトも読むこと)
・飛行機で配られた書類に目を通し、機上でもらった消毒ジェルや手袋をすぐ使えるようポケットなどに入れておく
ことに気をつけてください