今年のイギリスの話題といえば、
ブレグジットですよね。
あまり話題になってないですが
物価も物流も一気に動くから、
大変なことになりそうだよ
そのあたり、
イギリス人はどう考えているのか、
これからどんな事が起こりそうなのか、
BBCや新聞、周りの人から聞いた話を
まとめてみました。
ウワサですので、
外れるかもしれない点
ご了承ください
目次
1.「ほぼ合意なし」のイギリスのEU離脱になるかも
よく言われる「合意なき離脱」って、
何なんでしょうか。
これは、物流の面から考えると
・EUの関税同盟に残るか(合意あり)
・それとも残らないか(合意なし)
ということです。
「このまま時間切れで
合意なし離脱になりそう」
と不安に思ってる人も多いです
もし合意なしになれば、
本当に大変です。
今まで関税なしに
EU諸国とイギリスを行き来していた
多くの商品に、
1月1日からいきなり、
世界の標準ルールに基づいた「関税」を
かけなければいけなくなります。
関税は10%かかるらしいよ
つまり、
イギリスで車を作り、それを輸送して
ヨーロッパで売ろうとすると、
今までは関税なしでOKだったのが、
これからは、ドーバー海峡を渡るだけで、
関税を10万円徴収され、
100万円の車が、110万円に値上がり
してしまうということです。
国境のチェックで時間がかかり
輸送コストも上がるから…
110万円では収まらないですね
また、車なら利益率も高いですし、
なんとかして関税分を
ひねり出せるかもしれませんが、
生鮮食料品では赤字になる商品も
出てきます。
20%の関税がかけられる場合も
あるらしいよ
税関手続きのために、
トラックでの輸送時間が
およそ半日分増えると
予想されているのも、
生鮮食料品にとっては
かなりの痛手です。
鮮度も落ちるし
棚に置ける期間も
当然、短くなります
合意なし離脱になると、
イギリスの貿易総額の12%の物品に、
平均して約3%の関税を
かけることになるそうです。
はっきりして欲しいですよね
どうなるか分からないので、
各企業が、最悪の場合に備えて、
「合意なし」の方向へ
見切り発車しているのが現状です。
イギリス国内の工場が次々と閉鎖、
ヨーロッパへ移転していたり、
漁業や農業などで、
ヨーロッパへの輸出入している人は、
取り扱う商品を変えることを
考える人もいるようです。
高い関税がかかるけど…
「乳牛→肉牛」へ
牛の種類を変えるとか
自由貿易協定以外にも
色々と交わされていた取り決めが
廃棄されることになります。
その影響で、
国際結婚のカップルが
パスポートを取り直したり、
イギリス移住を考えている人は、
大急ぎで申請を進めていたりします。
EUからもらっていた大学の研究予算も
なくなってしまうので、
イギリスの大学からヨーロッパへ、
研究室を変える学生もいるようです。
また、今までビザなしで
ヨーロッパから出稼ぎに来ていた人が、
自国へ帰ってしまうことも
問題になっています。
医療従事者も多いから、
コロナ対策が
心配されているよ
2. 北アイルランドだけEU関税同盟に残るかもしれない
イギリスの2つの島のうち、
アイルランド島には
・北アイルランド(イギリス領)
・アイルランド共和国(EU加盟国)
の、2つの国があります。
ややこしいんですが
2つの国があるんだね
今のところの予測では、
イギリス本土はEUから抜けるけど、
北アイルランドだけが
EUの関税同盟に残る
ということになりそうなんですね。
これを日本に例えたら、
本州・四国・北海道・沖縄は
EUから抜けるけど、
九州だけEUの関税同盟に残る
みたいな感じ。
なぜこんなことになったかと言うと…
北アイルランドでは
長い間紛争が続いていて、
最近ようやく落ち着いてきたところ。
ここへ税関手続きなどのために
目に見える国境を設ければ、
過激派テロの標的となって、
紛争が再発しかねないのです。
だから、離脱交渉の初期から、
「北アイルランドと
アイルランド共和国の間には
境界線は作らない」
と取り決められていました。
どこかで関税は取らなければ
いけないわけで
徴収することにしたんだね
この仕組みが、非常にややこしいんです。
具体的にどうなるかと言うと、
イギリス本土から
①海を渡り
↓
北アイルランド(イギリス)を経由して
②陸にある国境を越え
↓
アイルランド共和国(EU)に
物品を輸出する場合、
①のところで
北アイルランドで陸揚げする際に
EU関税を徴収します。
かなり手前で
関税を払うんだね
なお、この物品が
北アイルランド(イギリス)で
消費される場合は、
アイルランド共和国(EU)には
届かないので、徴収した税を、
業者に払い戻します。
前払いしていた関税を、
返す形になります
そして一番のポイントになるのは、
北アイルランド(イギリス領)から
アイルランド共和国(EU圏)に
輸出される物品には
EU関税が徴収されないということ。
これをまた日本に例えたら、
本州・四国・北海道・沖縄は、EU輸出の際
関税を払わないといけないけど、
九州で作る製品だけは、払わなくていい
みたいな感じ。
北アイルランドが
経済特区になるってこと!?
そうだとしたら
びっくりニュースですね
北アイルランドから
EUへ輸出している業者は
「棚からぼた餅」と
大喜びしています。
そして今後は、
こうした利点に気づいた製造業が
十分な電力の供給力があり、
人件費も安い北アイルランドに
拠点を移す可能性があります。
将来的には、この流れが
北アイルランドに強い経済力をもたらし、
イギリスからの独立、
アイルランド共和国との統合も
あり得るという人もいます。
2017年4月の欧州理事会で、
「もし北アイルランドの住人が
アイルランド島の統一を望んだ場合、
統一されたアイルランドの領土は
自動的にEUになる」
ことが可決しています。
住民投票を行うための
根回しだね
スコットランドの独立よりは
後になると言われています
3. スコットランドが、今度こそ独立するかも
イギリスからの独立運動が
くすぶり続けているスコットランド。
北アイルランドと同じで
自治を認められているし、
首相もいるよ
2014年にも、スコットランドは
イギリスからの独立をかけて
住民投票を実施しました。
そのときは、
住民の55%が独立に反対し、
イギリスに留まることになりました。
EU加盟国でいたかったから
独立したとしても、後から
EUに入り直すだけの経済力が
なかったんですよね
そして2016年、イギリスの
EU離脱を問う住民投票の際、
スコットランドでは
・離脱が38%
・残留が62%
でした。
このときも、
EUに残りたい人のほうが
ずっと多かったんですね。
EUに加盟し続けたいから
独立を選ばなかったのに…
結局はEUから抜けることに
なってしまったんです
そんな流れで、
コロナの対応でも、
EU離脱の交渉でも、
イングランド主体の対応に
批判が集まる状況の中、
スコットランドでは
再び独立への気運が
盛り上がっています。
しかもこのタイミングで、
2021年にスコットランド議会の
解散期限が来ます。
もしも新しい議会で
独立運動を熱心に進めている党
(地域政党スコットランド民族党)
が過半数を取れば、
新たな住民投票が
実施されるかもしれません。
なりそうって噂だよ
そして、今の世論調査では、
スコットランド人の過半数は
独立を望んでいると言います。
ただし、スコットランドが、
北アイルランドと同様の位置づけ、
つまり事実上の経済特区に
なることは難しいらしくて、
統一通貨ユーロの導入も含めて、
負担する部分も多くなるので、
経済的に不安定なスコットランドが
本当にEUに加入できるのか、
不安に思っている人も多いみたいです。
4. 税関周辺の渋滞、医薬品やワクチンの輸送が問題になりそう
1月1日から、
税関周辺の道路で、
恐ろしい渋滞が起こると
予想されています。
8kmの渋滞になったらしいよ
それどころじゃすまない
でしょうね…
ブレグジットに向けて、
イギリスの国境付近には
2000台のトラックが駐車できる、
大きな駐車場が作られています。
つまり、逆に言うとそれだけ税関検査で
待機する可能性があるということです。
大きな駐車場が用意される
計画なんだって
「合意なし」方向へ
流されてますね…
「合意あり」ブレグジットになったら、
こんな大きな駐車場はそもそも
不要なわけですから、
見通しの立たない中での
政府の土地の購入には、
批判も起こっています。
かなりの突貫工事らしいです
さて、この税関検査で
最も心配されているものの一つが
医薬品の輸送です。
イギリスは
ファイザーのワクチン
4000万回分の
供給を予約済みで、
年末までに1000万回分を
確保するとみられています。
このファイザーは
アメリカの会社ですが、
ワクチン製造はベルギーで
行われています。
イギリスに渡ってくるんだね
ファイザーワクチンは、
輸送時も含めて常に
マイナス70度前後で
保存する必要があります。
ワクチン輸送の時期が、
年末〜年明けにかけて行われる予定のため
税関の手続きがスムーズに行くかどうか
心配されています。
5. 二度あるかもしれないポンド安
今年の12月31日までに
合意が得られなければ、
イギリスに対する
国際的な信頼が損なわれ、
ポンドが下がることが
予想されています。
そして、その後さらに
スコットランド独立の
流れが生まれるようであれば、
その際に、もう一度
大きくポンド安になる
とも言われています。
安くなるタイミングを
待っています
6. 春までに、ボリス・ジョンソン首相辞任の可能性
ボリス・ジョンソン首相の辞任は、
かなり以前から話題になっていて、
遅くとも来春まで
というのが、もっぱらの噂です。
EU離脱を成し遂げたことを
国民にアピールした後、
辞任するのではないかと言われています。
首相として失言や失策が続き、
マスコミに叩かれ続けている
というのがひとつの理由ですが、
ジョンソン首相にも、
経済的なもくろみがあるそうです。
ジョンソン首相のお給料が
年間15万ポンド(約2000万円)
だったのに対して
「講演会を数回行っただけ」で
年間100万ポンドも得たという
報道があったんですね
そうすると、面白くないのが
ジョンソン首相です。
テレサ・メイ氏より
ジョンソン首相のほうが、
数段高いしね
政治の矢面に立って
あれこれ責任を問われるよりは、
国民投票で離脱を勝ち取り、
ブレグジットを成立させたという
肩書きと共に退陣し、
後はゆったりと講演活動をして
稼ぎたいというのが、本音なようです。
せっかくイギリスにいるからには
思い返せば、
スコットランド独立の国民投票のときも、
ブレグジットの国民投票のときも、
私はイギリスにいました。
でもその時は、英語もできなくて、
ニュースや新聞を見ても、
ぜんぜん分かりませんでした。
スコットランド 人の友達もいたのに、
話を聞くこともできなかったし、
国民投票後に泣いている人がいても、
なぐさめてあげられませんでした。
今回こそは、
身近なイギリス人に質問したり
自分の意見を持てるよう、
勉強しておきたかった。
ブレグジットは、まちがいなく
今後のイギリスを大きく変えていきます。
ここでいま、自分がどう感じたのか、
忘れないようにしたいと思います。
政治がらみで、重い内容でしたが、
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
軽い読みやすいブログにします